反復性中耳炎

反復性中耳炎

  • 反復性中耳炎とは
  • 症狀
  • こうして治療します

乳幼児期に急性中耳炎を何度も繰り返し、おおむね半年間に4回以上、1年間に5回以上、2才までに5回以上繰り返す場合を「反復性中耳炎」といいます。

反復性中耳炎には純粋に急性中耳炎のみを繰り返す場合と、滲出性中耳炎を合併している場合があり、多くは後者です。
初めて急性中耳炎にかかった年齢が低いほど、中耳炎を繰り返しやすいといわれています。

発熱、耳漏れ、耳の痛みを何度も繰り返します。また滲出性中耳炎合併型では難聴も続きます。急性中耳炎から滲出性中耳炎、また急性中耳炎と、良くなったと思ったらまた繰り返すことも多いので、保護者の方は治療しても一向によくならない、という印象を受けるかもしれません。

反復性中耳炎は、
・生後12ヶ月未満で急性中耳炎になった場合
・低年齢での集団保育を受けている場合
・厚生物質に抵抗力を持った細菌が原因の中耳炎の場合
などに引き起こすことが多いとされています。
お子さんが幼稚園に通い出したら風邪をひきやすくなったという経験をされた方も多いと思います。集団生活を始めるまでは、ある程度外からの感染を防ぐことができますが、小さなお子さんが集団生活を送る幼稚園や保育園に通い出すとなかなかそうはいかないものです。また、小さければ小さいほど免疫力が弱く、感染症にかかりやすくなります。
ある調査では反復性中耳炎患児の約80%は保育園に通園しており、このうちの半数は通園開始1ヶ月以内で初めて急性中耳炎になっていたとの結果がでています。また、幼稚園や保育園に通い出すとお薬を1日3回きちんと飲めないことが多くなることも治りずらくなる要因とも言われています。

初期治療は急性中耳炎と同様、抗生剤の投与ですが、抗生剤に免疫を持った薬剤耐性菌が原因の場合、通常の急性中耳炎の治療のみでは良くならない場合も多くあります。
そのような場合はさらなる治療が必要となります。

・内服の抗生物質の倍量投与
通常量の1.5〜2倍のペニシリン系抗生物質を内服して、抗生物質の血中濃度を高め薬剤耐性菌をやつける方法です。
通常よりも多い抗生剤の服用となるので、下痢などの消化器症状が強く生じる場合もあります。

・鼓膜切開
投薬だけで不十分な場合は、薬液で鼓膜に直接麻酔をかけ切開を行い排膿させます。
(詳しくは鼓膜切開についてをご覧ください)

・耳の中の洗浄、消毒
鼓膜に穴が開き、膿が排出されるような状態の場合は、洗浄や消毒を行います。
洗浄・消毒し清潔に保つことで改善していきます。

・ 鼓膜換気チューブの留置
上記のような治療を行っても改善しない場合は、鼓膜ドレーンという小さなチューブを鼓膜に挿入して滲出液がたまらないようにすることもあります。半年から1年、長いときは2年くらい入れ、滲出液がたまりにくくなってからドレーンを抜くと鼓膜はきちんとふさがります。
(詳しくはチュービングについてをご覧ください)

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