最近は切開をしないで治療することがスタンダードです。(当院の鼓膜切開基準を参照ください)ただし、発熱の持続や、内耳炎合併の恐れがある場合など、やむを得ず切開を必要とするケースもあります。もちろん鼓膜切開にあたってはメリットデメリットを勘案して判断する必要があり、当院ではきちんと説明をさせていただいた上で手術させていただいております。
いわゆる“切開ぐせ”のようなものはございません。頻回に切開を要する場合には別にあげたように鼓膜チューブ留置術を要する場合もございます。
鼓膜切開後医師の指示通り通院処置をしていれば約7日間前後で閉鎖いたします。医師の指示をお守りいただきますようお願いいたします。
鼓膜の表面には痛みを感じる神経があり、触れると苦痛ですので、当院ではすべての患者さんに鼓膜麻酔を施行し、痛みを最小限に抑える努力をしております。
ただし無痛というわけではなく、あたってごそごそした感触はどうしても残ってしまいます。しかし、切開すると切開前よりも痛みがかなりラクになっていきます。切開後貯留液を吸い出す必要がありますので、その時にかなりのバキューム音が発生いたしますが強い痛みはございません。イメージでいうとご年配の方がパンパンに腫れあがったひざの水を抜くのに似ていますどうぞご了承ください。
横になっていただき、一つの耳に約15分ほど、麻酔をいたします。その後切開となるのですが、切開自体は一瞬で終わります。その後貯留液を吸い出す必要があり、ケースによりますが吸い出す時間に約5~10秒かかります。
鼓膜を切開した穴が感染を起こしてしまうと穴が閉じにくくなる現象が起こり得ます。また中耳からでてくる膿が周囲を汚染してしまうリスクがあります。抗菌作用の入った点耳薬を、鼓膜の閉鎖が確認されるまで続行していただくことにより感染を起こすのを防いでいますので、医師の指示があるまで点耳を続けていただきますようお願いしております。
切開口から水が入ると感染を起こしてしまうことがありますので、お風呂はお控えください。耳に綿球を詰め、シャワーで体を洗い流す程度であれば可能です。
出てきたものだけふき取ってください。綿棒等で掃除してしまうと奥に押し込めてしまったり、感染を起こすこともありますのでお止めください。